小説同人誌の段組み(A6サイズ編)
どうも、モノです。
小説同人誌を出して1年ちょっと経ったので、備忘録的に段組について書いていこうと思います。今回は一番冊数を刷ったA6(文庫)サイズについて。
この1年間で小説同人誌を発行しながら、せっかく文庫本サイズで作るのだから目指すは商業文庫(純文学)に限りなく近い文庫本!と目標を掲げ、講談社ノベルスを参考に段組を組んでおりました。
主な使用印刷所はOneBooksさん。
こちらの記事でも紹介している印刷所です。
他の印刷所ではオプション料金になるカバーと帯が標準でついてくるのが一番の利点。印刷料金もお財布にやさしいため、文庫本を出すならここが一番オススメです。
詳しいことは上記のリンクを参照いただくとして、実際に作った本がこちら。
右が帯ありで左が帯なしです。両方共カバーあり。
本文用紙を一番薄いスカーレットノベルス33.5kg(紙厚0.080mm)にしていただいて、左が212ページ、右が100ページです。体感として200ページを超えると厚さが市販の文庫本に近くなります。
いくつか種類を刷った中では
・カバーにクリアPP
・表紙は色上質紙
が一番それっぽくなります。逆に表紙をフルカラーにしてしまうと色を置いている関係上表紙が反ってしまったりカバーが合わなかったりしてしまうので、表紙はシンプルに色上質紙に文字のみがベターかなと。
(表紙フルカラーにした結果、何もしていないのにしわしわになってしまった本があります)
表紙の上質紙の色に迷った場合は印刷所にお任せもできるので相談してみるのもありだと思います。
■本文の段組
使用ソフトはInDesignです。Wordの設定はわかりませんが、左右ページで見開きで分けて設定できるなら同じ感じにできると思います。
本文の段組は38文字×16行。文字サイズは13Q
1ページあたり608文字。見開き1216文字。講談社ノベルス文庫と同じ段組にしています。
天地は文字数に合わせて12mm(地がやや広くなっています)
ノドを16.75mm。小口を10mm。
個人的には小口を何mm離すかでノドを決めるとよいかなぁという印象です。
(1ページの文字数を決めていれば、全体のサイズが決まるので、小口の位置どりだけ決めるとスマートかなと。)
上記の設定でレイアウトグリッドを組むとこうなります。
見開きで左右のバランスを取っています。タイトルとルビは左ページの上に置くとそれっぽい。ルビの位置も左右で分けると純文っぽさがでます。
上記の設定で印刷したものがこんな感じ。(本文フォントは小塚明朝Proです)
同一設定で本文フォントを源暎こぶり明朝にしたものがこちら。
手前味噌ですが文庫本っぽい。めっちゃ文庫本っぽい。
ただ、実際に印刷してみると気になるのが本文のフォント。同じ設定で流し込んでいても本文フォントが違うだけで見栄えは大きく変わります。
■本文フォントについて
本文フォントについてはググると色々なサイトが出てくるので、自分の中でしっくりくるフォントを探してみてください。オススメはフリーフォントの源暎こぶり明朝。
個人的には小塚明朝だと行間が狭く見えてしまうので源瑛こぶり明朝に変更しました。
本文フォントを決めるための比較とか作ったりしてました。こんなの。
最近では濁点喘ぎ対応でIPAx明朝もオススメされていますが、InDesignでは源暎こぶり明朝でも問題なく濁点喘ぎに対応しているので、個人的には好みかなと思います。
小塚明朝もそれ単体で見ればとてもやわらかくポップなフォントですし、読みづらさはないのですが、自分の求める文庫本の本文フォントとはややかけ離れていたので変更しました。
逆にポップなフォントが欲しい場合は小塚明朝が良いのかもしれません。
あくまで自分の好みを追求した段組みなので、これが正解!というものではありませんが、これから小説同人誌を作る方の参考になれば幸いです。
初めての同人活動にかかるお金の話
どうも、モノです。
メールではてなブログさんから新しい記事でも書かない? とせっつかれたので何かネタあるかなぁとひとしきり考えた結果、原点回帰して初めて同人活動をする方向けの記事を書こうと筆を執った次第です。
完全に初心者向けの記事なので、このブログの他記事を参考にする方には向きません。
初めて同人活動をするにあたっての最低限の必要経費についてざっくばらんに書いていこうと思います。
しばしお付き合い頂けますと幸いです。
同人活動は何かにつけてお金がかかる趣味です。それについては様々なところで語られているとは思いますが、ふわっとしていて概算がでない人もいるかと思いますので、最低ラインの予算を書きますね。
(今回の想定はビッグサイト規模のイベントです)
・イベント参加費:5000〜6000円
・印刷費:5000〜(コピー本の場合1000円〜)
・雑費:2000円〜5000円
少なく見積もって15000円くらいは総額としてかかると思っておくと良いと思います。
また、この概算は最低印刷費で計算しているため、発行部数によって印刷費は変動します。
雑費についても初回参加以降はかからなくなるものもありますし、遠方にお住まいの方はこれに+αで遠征費が上乗せになります。
また、一度に全てかかるわけではないので、総額として目安程度に覚えておくと良いと思います。
10連ガチャ5回分くらいですね。そう書くと割と安いかも?(そんなことはない)
◾️イベント参加費
さて、同人活動となると何はともあれイベントに参加するところから始まります。
現在行われている大規模イベントの大半が
の2択です。それ以外の場所で行われてることもありますが大体この2つです。
同人活動を始めるぞ、と決めた瞬間にまずやることはサークル参加をすること。
もちろん通販オンリーの活動でも構いません。
その場合は上記からイベント参加費と雑費を抜くとよいでしょう。
サークル参加費はイベントによりますが大体1SP(机半分)5000円〜6000円。夏コミ冬コミは約1万円です。
この費用がまずイベント参加を決めた際にかかります。
◾️印刷費
イベント参加申し込みをし、いざ原稿に取り掛かる段階になりましたら次の印刷費に移ります。
印刷費についてはグッズ、本で変動するように思えますが最近はグッズの印刷費も本とあまり変わらなくなっているので、作るものについては色々な印刷所を比較検討して
自身の予算に合った場所にすることをオススメします。
印刷会社に頼む場合の最低ラインは5000円を目安にしておくと良いと思います。
(12Pの10部計算)
5000円以下の印刷費であっても送料などで結果的に5000円程に収まったりするのでそのくらいの感覚でいると良いです
初めて発行するときは部数が読めないかと思います。その辺はジャンル規模と相談しつつ無理のない範囲の部数を刷るのが良いかと思います。
手頃な価格帯で無難な部数で言えば30部くらいが印刷費1万前後になるあたりでしょうか。
人気ジャンルであればイベントで完売できる数字ですし、初めて参加する時の数としては無難かなと思います。
(50部と悩むラインですがそこはお財布とジャンル規模とご相談ください)
印刷費は原稿を完成させて入稿した後にかかるものです。
大体の印刷所がイベント合わせの締め切りを出していますので、それらを見て入稿すると良いと思います。
早割入稿をすると安くなりますし、割増入稿や特殊加工を追加すると高くなります。
印刷費を頒布価格に乗せるサークルもありますがその辺りは自分のお財布と相談してください。頒布価格に関しては本当に個々のお財布事情が絡むお話なのでここでは割愛します。
なお、コンビニのコピー機で印刷するコピー本に関してですが、こちらにすると印刷費が安くなる印象がありますがページ数が少ない場合に限ります。
コピー本の場合
モノクロコピー10円×本文ページ数÷2+10円(表紙) = 1冊の印刷費
となります。
12ページの漫画(本文8ページ)の場合ですと
1冊あたり50円。10部刷って500円。30部刷って1500円になります。
表紙をカラーにする場合は1冊あたり70円になるので注意です。
(カラーコピー30円)
また、近年ではコピー本は無料配布のことが多いため、コピー本を作る際は考慮しておくと良いと思います。
◾️雑費
暫定で2000円〜5000円に設定しましたが、もうちょっとかかるかもしれません。
かかる費用は主に
・イベント当日のディスプレイ用品(敷布など)
・おつり
・交通費
です。おつりについてはどの程度用意すればいいのかという目安は自分でもハッキリと言えないのですが、
初参加であれば1万円程度用意しておくと安心なのではないかと思います。
銀行に自動両替機がありますので、
・500円玉×10枚
・100円玉×50枚
程度用意しておくと安心です。また、おつりは消費するものではないため雑費ではありますが雑費内にカウントしておりませんでした。申し訳ないです。
イベント当日のディスプレイ用品については100均で探すのが無難かと思います。ググると先人の知恵がお借りできますのでそれを参考に用意すると良いかと思います。
敷布だけは良いサイズがなかなか見つからなかったりするため、当日イベント会場で買うのも手です(企業ブースで販売してます)
交通費については各々の住んでいる距離によって変わるため、遠征する方はここに宿泊費なども追加されます。
雑費の計算は難しいですがおおむねこの程度だと心づもりをしておくと安心です。
以上がざっくばらんな初めての同人活動にかかる諸経費でした。
最低ラインで見積もっておりますので、もっとかかる部分はかかります。個々人の状況に合わせて変動することを加味した上で、最低ラインはこの程度だと思っておくと安心程度に生ぬるく見てやってください。
何か足りない費用がありましたら適宜コメントなどで頂けますと幸いです。
これから同人活動を始めてみたい方の手助けになれば幸いです。
同人誌・グッズの通販の雑感(書店委託〜自家通販)
どうも、モノです。同人の記録用ブログにしようと思っていたのに結局印刷所の雑感をたまに更新するだけのブログになっておりました。
それでもちょこちょこ来てくださる方がいるので、同人のノウハウ的なものとして需要がないわけでもないのかな……? と思い、私個人の同人活動については横に置いておいて
ぼちぼち同人活動に切っても切り離せないあれそれについて所感を書いていくことにします。
さて、同人誌や同人グッズを作り、イベントに参加したぞ!
その後はどうする……?
ということで通販編です。ざっくばらんに書いていきます。
基本的に通販に関しては書店委託か自家通販の二択になります。
書店委託はその名の通り、虎の穴、アニメイト(フロマージュ)メロンブックスなどの同人誌取り扱い書店に委託するもの。
自家通販は自宅から発送するものとなります。
◼️書店委託
イベント終了後、一番手にとってもらいやすい形態が書店委託です。
書店に発送し、後はお任せとなるため自己負担が少ないことが特徴。
書店委託時の委託販売価格は自分で設定できます。
委託する分のマージンが発生するため、イベント価格据え置きの本体価格で書店販売しようとするとマージン分で赤字になります。
一冊あたりの自分の取り分を減らしてでも書店委託の価格を下げるか、マージン分を全乗せするかは委託者の裁量に任されています。
(大体マージン分全乗せする人が多いです。)
基本的には虎の穴一択です。
昔から女性向け同人の委託先として利用されているため、ジャンルやCPで検索をした人が比較的手にとってくれやすいです。
自家通販の場合、本人が宣伝したタイミングや、通販開始のアナウンスを逃してしまうと通販をしていることに気づかないなんてこともよくあります。
書店委託の場合、通販されている本を買う時に複数のサークルをまとめて買える上に、目当てのサークル以外にも気になったから手を出してみるというのがしやすい環境にあるため、価格は少し高くなってしまうけれど、利用者側から手に取りやすいイメージがあります。
自分も自家通販しているサークルさんはよっぽど好きなところ以外はなかなか手を出しにくい印象です。(財布には優しいのですが)
近年ではアニメイト系列の女性向けジャンル専門店のフロマージュ、まんだらけなどが女性向けの書店委託に力を入れているイメージ。
まんだらけは海外発送にも対応しているため、イラスト本や漫画本などは海外のファンの方向けにそちらに預けるという方もいます。
◼️虎の穴の委託について
昔は30部からどのジャンルでも委託を受け付けてくれていたのですが、今は希望納品数を提示して向こう側から発注数を提示する形に変わったようです。
サークル専用のページに登録し、やりとりをします。納品してから2〜3週間程度でwebページが作られ、通販開始となります。
旬ジャンルなんかは事前に委託連絡をして会場から委託先へ発送することも珍しくありません。
納品部数が少ない場合は店頭に置かれることはほぼなく、web通販のみになります。
それぞれの掛け率は
全委託の専売(虎の穴以外での通販をしない)は67%
虎の穴以外でも通販をしている場合は64%
委託した本を売り上げ関係なく一部虎の穴に買い取ってもらう場合は60%となります。
【イベント価格500円の本の場合】
①卸値500円(委託手数料を買う側に負担してもらう場合)
全委託専売(67%):747円
全委託併売(64%):782円
一部買切り(60%):834円
上記が購入者側が払う値段になります。
専売でも併売でも買切りでも委託しているサークル側に支払われるお金は1冊あたり500円のままです。
②本体価格500円(買う側の値段が500円固定になる場合)
こちらは①と違って、購入者側が払う値段が500円固定で、委託しているサークル側に支払われる1冊あたりの売り上げがそれぞれの委託形式に応じて上下します。
全委託専売(67%):335円
全委託併売(64%):320円
一部買切り(60%):300円
どちらの形式をとるかはサークルの裁量に任せられますが、基本的には卸値=イベント価格で全委託専売or併売が多いように思います。
基本的に預かってくれる期間は3ヶ月。それ以降は在庫を手元に戻す形になります。
(昔は預け続けることもできましたが今はわかりません)
◼️自家通販
書店委託と対をなす自家通販は、イベント価格+送料で通販ができるため、買う側にとってはお得な一方、サークル主にとっては手間と負担の大きい通販方法です。
自宅に保管している在庫を注文1件ごとに梱包、発送します。後述する匿名配送を利用しない場合はサークル主と通販者の個人情報をやり取りする形になるため、個人情報を他人に教えたくない人には向きません。
近年では匿名配送が可能になったため、自家通販のハードルが下がって安心して通販できるようになった印象です。
個人サイトで受け付ける方もいますが、最近の主流はPixiv提携サイトのBOOTHです。
自分はBOOTHの通販をメインにしているのでBOOTHについて書きます。
BOOTHはPixivアカウントを持っていれば誰でも通販ページを作成することができ、予約販売やデジタルデータのみの販売など様々な形態に対応しています。
書店委託と同様にBOOTH倉庫に預ける倉庫発送と、サークル主が1件1件手発送する自宅発送の2パターンが存在します。
◼️自宅発送
その名の通りサークル主の自宅で保管している在庫を注文ごとに梱包し発送する方法です。従来の自家通販と同じです。
BOOTHを利用するメリットとしては、通販ページのフォーマットが整っているため通販ページを作りやすいこと、BOOTHあんしんパックという匿名配送を利用できることの2点。
特に後者は従来の個人サイトでのやり取りと違い、相手と自分の個人情報のやりとりをしなくて済みます。
(発送方法をBOOTHあんしんパックに設定していない場合は個人情報のやりとりが発生します)
近年では発送周りは全てコンビニで完結するため、コンビニが近所にある場合はとても楽ですが、受け付ける注文数が多い人の場合は後述する倉庫発送をオススメします。
◼️倉庫発送
BOOTHの一番の特徴である倉庫発送。
書店委託とやや似ていますが、同人誌・グッズ関係なく預けることが可能なのが特徴。
サークル主はBOOTH倉庫に在庫をラベル分けして発送するだけで、後の通販のやり取りはすべてBOOTH側が行ってくれます。
倉庫に発送後、2〜3週間すると倉庫から発送されるようになります。
1ヶ月ごとに保管料1000円(販売率が倉庫に預けている分の20%以上の場合無料)がかかり、最大半年預かってくれます。
半年経過すると返送対象となり、預けた在庫が返送されてきます。
返送されてきた在庫は梱包された状態のため、そのまま自家通販に切り替えて発送することもできます。
個人情報のやりとりも梱包の手間もなく、すべてBOOTH側が行ってくれるため、数が多いグッズの通販をする際は倉庫から発送を利用するのがオススメです。
難点としては、倉庫についてから発送されるまでのラグがあるため、場合によっては通販開始してから注文した商品が手元に届くまで1ヶ月近くかかることがある点です。
昔は一度入庫作業が終わったら発送はスムーズだったのですが、近年倉庫に預ける人が増えた関係で、一件一件の発送処理が遅く、サークル側にクレームが入ることも多々ある状況にあります。
倉庫利用を考える場合、発送が遅くなる可能性があることも加味しておくと良いかもしれません。
現在BOOTH事務局側としても改善を目指しているようなので、今後に期待。
ざっと通販については自分が利用したことのある範囲ではこんな感じです。
近年ではBOOTHの発達により、書店委託のメリットは店頭に置かれるかどうかと、複数の作家をまとめて買えるかどうかといった違いくらいになっている印象なので、少部数であったり、ジャンルがマイナーであったりする場合はBOOTHを利用するのが手っ取り早くやりやすい方法かなぁと個人的には思います。
自家発送だと梱包や発送の手間がかかるのは従来通りですが、匿名配送のおかげで自家通販のハードルがぐっと下がった印象です。
気軽にイベント参加して通販を始めたい方は是非やってみてください。
同人印刷所の雑感 -グッズ編-
この記事では、過去に自分がその印刷所を選んだ理由、そして使った感想を雑多にまとめています。
感想は個人的なものなので、決して各印刷所を貶す意図があるわけではないことをご了承ください。
あくまで個人的にこう感じた、という話です。
同人誌編はこっちhttps://sdekmono.hatenablog.com/entry/2018/10/18/104251
▪️はじめに
グッズ編を書くにあたって、自分用に1個だけ作りたい方もいるかなと思ったので、1個だけ作る場合の話を先にしますね。
自分が1個から作れるところで自分や友人の誕生日用に1〜2個グッズを作るタイプなのでその経験より。
1個だけ作る場合、ほとんどの場合送料が製作費を上回ります。
1個あたりの製作費が400円〜500円として、送料は1000円のことが多いです。
そのため、1個だけ作ると400円の品の場合1400円支払うことになります。
結果的に多めに作った方が安くなったり送料無料になったりするので、お試しで作る場合は送料のことも考えておくと良いと思います。
それを回避するために店舗に足を運んで受け取れる印刷所もありますので、その辺りは後述していきます。
2019/03/11追記:オンデマンド倶楽部を追加しました
2020/01/10追加:おたクラブのアクリルスタンドを追加しました
▪️使ったことのある印刷所
・オレンジ工房
・ポプルス
・アクリルグッズの達人
・セカンドプレス
・ZEAMIArt
・Mydo
・おたクラブ
・オンデマンド倶楽部
・pixivFactory
以上です。同人目的以外で個人的にTシャツやその他で利用したことのある印刷所もありますがそこは割愛で。
一部同人誌編で書いた部分もありますが、もう少し細かく書けたらと思います。
特にグッズに関して自分が一番気にしていることは色の再現性とアクリルの場合は粒子感です。この辺りは値段に関わらず起こることなので(当然値段が高ければ起こる可能性は低くなります)結構気にしているのですが、5〜6年前と比べて印刷所の技術が格段に向上したのか
ここ数年使った印刷物で色味の変化について感じたことはあまりないです。
この雑感は各印刷所さんを使ってた時期がバラバラなのでそれを念頭に入れた上で読んでいってください。
▪️オレンジ工房
初めてグッズを頼んだのはオレンジ工房さんでした。やっぱり数多の同人処女を奪ってきた印刷所なのではないかと思っています。
私が印刷所にお願いを始めた当時(2010年〜2011年ごろ)はあまり少部数でグッズを受けてくださる印刷所が少なかったこともあり
・少部数で作れる
・安く作れる
の2点からオレンジ工房さんにお願いをしていました。
お願いをしたのはポケットティッシュとミニうちわ。
今はRGB入稿をしてもほぼほぼ色劣化がなくなりつつありますが、当時はCMYKに変換しての入稿だったため、色の劣化(淡くなる)がやや気になった印象でした。
ポケットティッシュが淡い色合いだったので特にそう感じたのかもしれません。
ミニうちわは綺麗に発色しており、骨もしっかりしていたので満足したのを覚えています。
今でも色々作れるみたいで、昔は1部では作れなかったものも1部から作れるようになったみたいです。
グッズについてはものすごく安いわけではありませんがそれなりに安くそこそこのものが作れる印象です。
発色についてはだいぶ昔の話なので今はどうなのかわかりません。
▪️ポプルス
グッズは色んなものが1個から作れるのが魅力的。
お値段は普通くらい。高くもなく安すぎるわけでもなく、といった感じですが少部数印刷を受けてくださる所の中では比較的安めの印象です。
お願いしたことがあるのは
・アクリルキーホルダー
・透明しおり
・フルカラー名刺
・フリーシール
・フリークッションストラップ
品質はかなり良い方です。アクリルグッズはラメを入れたりもできるので幅がありますが、アクリル系は粒子感がやや気になりました。あまり得意ではないのかも。
それ以外のグッズに関しては色の再現性が高く、満足がいく仕上がりになりますがその分お値段が張ることがあります。
特にクリアしおりは小ロットで扱ってくれているところがポプルスくらいなのでずっとお世話になっています。
品質が抜群によく、発色も綺麗です。
逆に気になったのはフルカラー名刺。名刺に黒を多く使ったからなのかわかりませんが、かなり反ってしまっていたので、そこが気になりました。印刷のクオリティは申し分ないだけに少し残念。
シールは頼んだ枚数分連結して届き、300枚頼んだら100枚が1シートになったものが3枚届きました。10枚単位に切り分ける作業がやや大変だったくらいで、シール自体の出来はとても良かったです。
フリークッションストラップは1個あたりのお値段が張る分、めちゃめちゃ可愛いです。これはオススメしたいレベルなのですが、なにぶん単価が高いためグッズとして出すには難しく、自分用に作るのがベストかなという印象。
ビーズクッションではないのにとてももちもちした素材で手触りがよく、握ってて幸せになるクッションストラップができあがりました。
全体を通してクオリティが高いのがポプルスさんの特徴ですが、1個から作れるため基本的にグッズの余部はついてきません。
余部を期待するのであれば別の印刷所が良いです。
▪️サンライズ
少部数といってもここは1個からではなく最低ロットが30部から(ものによっては50〜100から)なので、がっつりグッズを作りたい方向けです。
メモ帳の印刷を2種お願いしました。
最低部数は30部から。
1つはフルカラーメモ帳、もう1つは月別で色とインクが変わるメモ帳。(入稿月によって紙色とインク色が固定されてるもの)
少し入稿周りで手間取った印象だけありますが、クオリティは申し分なく綺麗に印刷されます。
メモ帳は特に単価が安めなので作りやすいのですが、その分1枚あたりの紙が分厚いのがやや気になりました。普段使いできるものが作りやすいです。
私は利用したことがないのですが、アクリルキーホルダーがRGB入稿可能でカットラインと白押さえを無料作成してくれるサービスができたようです。(3年前にはなかった)
全体的に部数を刷れば安い印刷所ではありますが、最小ロットの壁がやや高い印象ではあります。
ちょっと入稿周りや同じ系列の会社が他にもいくつかあり、サイトがあっちこっちに飛んだりするため初見は困惑するかもしれません。
その辺りの手間の煩雑さやわかりづらさを抜けば使いやすい印刷所だと思います。
▪️アクリルグッズの達人
名前からして強そう(小並感)。初見はビビりました。缶バッジの達人もあるらしい。
1個からアクリル関係のグッズが作れます。お値段もかなりお手頃価格。(もっと安いところもありますがアクリル系は粒子感と色の再現性の問題でかなり印刷所を選んでました)
特に大きいサイズのアクリルキーホルダーのコスパがとても良いです。
他の印刷所だとこのサイズはかなりお値段かかってしまう、みたいなものでもお手頃価格なのが良いところ。
アクリルスタンドもかなり大きめのサイズまで作れます。
名前の圧に押されて使ってみたところ、とても綺麗に印刷されました。粒子感もほとんどなく、色の再現性がめちゃ高い。
【他社比較用】
左がアクリルグッズの達人で右が他社のもの。
濃い色になるとザラついた印刷になる部分(粒子感)がほとんどない印象でした。(写真だとわかりづらいですが)
代わりにカットラインを自分で作ったり、テンプレが微妙に不親切だったりするのが難点。
サイトはとっつきやすそうなのにデータ作成面がやや難易度が高い印象でした。
入稿や入金周りは他の会員登録制印刷所と変わりません。
カットラインについては有料ですがカットライン作成サービスがあるので比較的初心者でもおススメです。
■セカンドプレス
缶バッジ専門の印刷所です。
正確には缶バッジ関係のグッズであれば作れるといった感じで、缶バッジのほか、缶バッジマグネット、缶バッジストラップなども作れます。
缶バッジと缶バッジストラップお願いしたことがあります。
最小ロットは10個。サイズの種類が豊富なのと色の再現性がとても良いです。
特にパステルカラーが綺麗にでます。
ここの利点は何種類作っても最終発注個数で割引適用してくれること。
他の印刷所では絵柄が違うものを複数種類混ぜ込んだ場合、個数割引は適用されずそれぞれの個数での値段計算となるところを、1回の会計での合計発注数で計算してくれます。
そのため、複数の絵柄を少数で発注する場合にオススメです。(6種の缶バッジを20個ずつなど)
缶バッジの形が丸か四角しかないのが難点ですが、スタンダードな缶バッジを作るのであればオススメです。
また、複数絵柄を頼んだ場合でもそれぞれの絵柄に余部をつけてくださります。
少部数だとほとんどつけてくれないのが当たり前なのでとても驚いた記憶があります。
■ZEAMI Art
ここも缶バッジ専門の印刷所です。
最小ロットは30個から。
ここもマグネットやクリップピン型の缶バッジが作れます。
丸以外にも角丸四角やひし形などが作れるのが特徴。
色の再現性はやや微妙で、少し濃いめに発色します。
全く同じ絵柄のものを前述のセカンドプレスさんとこちらに発注した際に色味の差がだいぶでたのが印象的でした。
同じ絵柄を乗算レイヤーで50%重ねたくらいの濃さで出力されると考えるとイメージとして近いと思います。
また、表面をクリアコートがけされたような光沢感が出ます。やや高級感のある缶バッジに仕上がるイメージ。
データ作成や入稿周りはさほど難しかった記憶がないので作りやすい部類だと思います。
■Mydo
よく話に聞くグッズ印刷所ナンバー1のイメージが個人的にあります。
アクリルキーホルダーを頼みました。
納期が短く、料金も比較的安いです。
白押さえやカットラインを自分で作らなくて良いのが利点。
別途自分で白押さえを作成したい場合はデータとして作って渡すことができます。
これがMydoさんにお願いしたもの。
友人用に2個だけ作成したものの納期的に間に合うかわからない期間でお願いしてしまったのですが、予定日より早く納品してくださりとても助かった記憶があります。
粒子感は濃い色のところに出るかもなぁ?くらいの認識。
色の再現性は普通です。
比較的空いてる時期だと早めに納品してくださることがあるようです。その節は大変お世話になりました。
また、2個しか頼まなかったのですが予備としてキーホルダーの金具のついていないものがついてきて、丁寧だなぁと思った記憶があります。
(前述しましたが少部数対応のところはあまり余部をつけてくれないため)
■おたクラブ(2020/01/10追記)
いろんなグッズや本を実店舗でも作れる印刷所。
東京と大阪にそれぞれ店舗があります。
ここは宅配制作と店頭制作とで作れるものの種類と最小ロットが変わるため、細かい箇所は公式サイトを参照ください。
店頭印刷で
・マグカップ
・スマホケース
・ポストカード
・缶バッジ
・ノーカットシール
・大判ポスター
宅配制作で
・アクリルスタンド
お願いしたことがあります。
店舗で作成する場合は、
①家でデータを作成→公式サイトより入稿
②実店舗に足を運ぶ→店頭制作用の会員登録&滞在料金300円の支払い
③渡されたナンバープレートを持って待機室兼作業室で呼び出しがあるまで待機
④全ての制作物の印刷が終了したら会計にて制作物の会計
という手順でグッズを制作してもらいます。
※2020年1月下旬よりこの手順が当日午前10時までに入稿したものを順次印刷、印刷完了連絡が届いたら店頭に受け取りに行くシステムに変更になるそうです。詳細は公式サイトを参照ください。この記事では2019年12月までの店頭制作について書いています。
本や缶バッジ、ノートなどの製品は、待機後に呼び出され、印刷されたものを自分で作業する工程が挟まります。
この際に発生したロス(不良品)も全て買取対象となるため、作業が挟まる製品はあらかじめ発注数を少し多めにしておくと良いです。
店頭制作の場合は店舗について受付してから印刷を開始するため、イベント前日などは混み合っていて受付を停止していたり、受付後長時間待機したりすることになります。
平日も営業しているので、平日に立ち寄ると比較的短時間で制作できるそうです。過去最短が作業時間込みで30分程度でした。
RGBの印刷が得意とサイトで謳っている通り、色の再現性は抜群です。画面で見たものとほとんど変わらない状態で印刷されます。
難点があるとすればテンプレートがややわかりづらいことでしょうか。
最終的には最初のテンプレートに入っていた説明レイヤーを全て削除する必要があるのですが、少しわかりづらかったです
宅配制作については他の印刷所と変わりはありません。
店頭と同じマイページからの入稿の際に宅配制作を選ぶだけで、入稿までの手続きやテンプレートの違いはないです。
アクリル製品やクッションなどの一部の製品は宅配制作のみの対応となっております。
アクリルキーホルダー、スタンド共に最小ロットは5個。
アクリルスタンドをお願いしました。
粒子感は気になるほどではありませんが少しあります。サイズに対しての値段のコスパが◎
大きめのアクリルスタンドも小ロットで安くうけてくれるので、自分や身内用に少しだけ作るなどがしやすいです。
他の印刷所との大きな違いは、複数種類の絵柄を混ぜ込んでも最小ロット5個以上の単位で発注するならばロット割引が適用される点。
(例:4種類の絵柄のアクリルスタンドを10個ずつ発注の場合、40個発注と同じ値段で1つの注文でうけてくれる)
複数のキャラのアクリルキーホルダーやスタンドを一気に作りたいけど、個別の数はそこまで多く作るつもりはない時に注文をまとめることができて割引も適用されるため、たくさんの種類を作るグッズサークルさんなんかは使いやすいのではないでしょうか。
アクリルスタンドは台座の種類が豊富で、繋がる台座で作ることも可能です。台座への印刷はできません。
ただ、私のデータ作成が甘かったからなのか、台座にたてた時かなり緩くて、スタンドとしては少し不安が残る作りでした。
袋詰めは別料金。袋詰めオプションをつける場合は納期が+4日されるのでご注意ください。
オプションでアクリルキーホルダーにもなるボールチェーンをつけることができます。
◼️オンデマンド倶楽部
オンデマンド印刷に特化した印刷所。
様々なグッズが小ロットから作れます。
アクリルキーホルダーとアクリルスタンドをお願いしました。
両方とも最小ロットは10個から。
ハートナスカンアクリルキーホルダー
グロス加工アクリルキーホルダー
アクリルスタンド(黒桜台座)
ここの利点はカットラインが実線なところ。
多くのアクリルキーホルダー関連の印刷所がカットラインはパスで作成することが多い中、実線でよいため初心者にもおススメです。
(全くわからない初心者向けに15円でお任せアシストがつけられます※30個以上は無料)
色の再現性は高めです。オンデマンド印刷だからなのか、画面とほとんど変わらない仕上がりになりました。粒子感は大きめのサイズだと少し気になります。
この印刷所の特徴はなんといってもオプションの豊富さ。
ナスカンの種類はもちろんのこと、
アクリルキーホルダーは裏面にグロス加工ができ、アクリルの裏面(白いところ)に模様を追加することができたり、アクリルスタンドの台座の種類が豊富です。
ただし、アクリルスタンドは台座を自由に作成したり台座印刷をしたりはできません。
また、アクリルの厚さを選べることができるのも特徴です。
2mmで作ってみたところ、他社よりやや薄く感じました。アクリルの厚さを気にしないのであれば2mmでも問題なく印刷できます。
私は試していないのですが、ホログラムアクリルキーホルダーというのも作れるみたいなので、気になる方は是非。
そして小ロット限定になりますが、配送方法をネコポスにできるため、10個作った時の送料が控えめにできることも密かな魅力。
お手頃価格で小ロットから作れるため、気軽に試せる印刷所です。
アクリルグッズの他、クリアカードやUSBなんかも作れたりするのでいつか試してみたいです。
■pixiv Factory
おまけですがpixiv提携サービスのpixiv Factory。
pixivアカウントがあれば全てのグッズが1つから作成でき、データ1つでそのまま在庫を抱えずにBOOTHで販売もできるpixivの印刷所。
最近は本も作れるようになったようです。
データ作成については独自のブラウザ上で調整できるため解像度を気にせず作れ、初心者にとても優しいです。
その反面アクリルキーホルダーなどは透過を綺麗にしないと1ドット単位のゴミまで自動カットラインに含まれたりします。
とてもグッズ作成初心者に優しいのですが、とにかく単価が高いのが難点です。
特にpixiv Factoryで作成したものをそのままBOOTHに出す場合、最低ラインの原価の時点で同種のグッズの平均価格の2倍はします。
そこは受注生産システムなので単価が上がるのは仕方のないことではありますが、自分用に作る以外ではあまりオススメできません。
色んな種類のグッズを手軽に作れるので、自分用や友人向けのプレゼントとして手軽に何かを作る分にはとっつきやすく作りやすいです。
以上、振り返ってみると少ないようで色んな印刷所を利用してきたのだなと思いますね。
ここに書いた以外にもグッズ専門の印刷所はまだまだたくさんあります。
単価や最小ロットの問題でなかなか手を出せてないことが多いのですが、いつか挑戦できたらなぁと思います。
その時にはまた雑感をかけたらいいなぁ。
そんな感じで、同人印刷所雑感 -グッズ編-でした。
お付き合いくださりありがとうございました!
同人印刷所の雑感 -同人誌編-
この記事では、過去に自分がその印刷所を選んだ理由、そして使った感想を雑多にまとめています。
感想は個人的なものなので、決して各印刷所を貶す意図があるわけではないことをご了承ください。
あくまで個人的にこう感じた、という話です。
2019/05/05:プリントオンさん追記しました。
2020/01/10:ブロスさんとホープ21さんを追記しました。
▪️使ったことのある印刷所
・オレンジ工房
・ポプルス
・栄光印刷
・PICO
・プリントオン
・ブロス
・ホープ21
・OneBooks
以下グッズ製作で利用したことのある印刷所
・アクリルグッズの達人
・Mydo
・ポプルス
・オレンジ工房
・おたクラブ
・オンデマンド倶楽部
・イロドリ
以上です。もしかしたら書き忘れがあるかもしれませんが覚えている範囲ではこんな感じ。
同人歴10年になりましたが、基本的に年1しかイベントに参加せず、あまり精力的ではなかったため、試したことのある印刷所さんはあまり多くないです。
それを念頭に入れた上で読んでいってください。
▪️オレンジ工房
初めての印刷所として選んだのはオレンジ工房。数多の同人処女を奪ってる印刷所なのではないかと思ってます。
理由はとにかく安い事。
当時学生の身だったこともあり、とにかく
・できるだけ安く
・少部数で作れる(最小ロット10部)
という理由で選びました。
2冊ほどここで作り、グッズも3〜4点作った感想としては、良くも悪くもお値段相当、という感じです。
とにかく安く作りたいならオレンジ工房はオススメです。
早期入稿で表紙と同じイラストのポスターをつけるなどの+アルファが充実しています。
その代わり、表紙を見ただけでオレンジ工房の同人誌だと分かるレベルの印刷と品質です。ぶっちゃけ品質はそんなに良くないです。
ポスターやグッズも発色が独特なので見ただけでオレンジ工房の品だとなんとなくわかります。良くも悪くも分かりやすい印刷所です。
そしてこれは長期保存においての話ですが、在庫の数冊が表紙が剥がれたりしたのでその辺も少し気になった記憶があります。
(5年以上前の使用感ですが、今でも見ただけでオレンジ工房さんの品はなんとなくわかります)
▪️ポプルス
主にグッズで利用していましたが今年本を作ったので本の感想も合わせて。
【グッズに関して】
グッズは色んなものが1個から作れるのが魅力的。
お値段は普通くらい。高くもなく安すぎるわけでもなく、といった感じですが少部数印刷を受けてくださる所の中では比較的安めの印象です。
品質はかなり良い方です。アクリルグッズはラメを入れたりもできるので幅がありますが、アクリル系は粒子感がやや気になりました。あまり得意ではないのかも。
それ以外のグッズに関しては色の再現性が高く、満足がいく仕上がりになりますがその分お値段が張ることがあります。
ポプルスならではのグッズが多いのが利点です。
特に透明しおりは小ロットで扱ってくれているところがポプルスくらいなのでずっとお世話になっています。
品質が抜群によく、発色も綺麗です。
ただ、1個から作れるため基本的にグッズの余部はついてきません。
余部を期待するのであれば別の印刷所が良いです。
【本に関して】
季節ごとのフェアの遊び紙が型抜きだったりと凝っているため、それ目的で本を作りました。使いやすく綺麗な印刷だったので本の方の満足度も高いです。
独自のシステムで運用されているため、入稿や入金周りが分かりやすいのは利点ですが
その反面、クレカ決済以外の入金方法は少し手間がかかります。
早割などの割引系統はあまり行っていないため、その辺りは注意が必要です。
初心者でも使いやすい印刷所だと思います。割引の有無を気にしない人にはおススメです。
▪️栄光印刷
まだオンデマンドが主流ではない時代にオフセット印刷でお世話になりました。
色の再現性は普通。気になるほど変わったりはしません。
今はオンデマンド印刷も対応して10部から作れるようです。
・オンデマンド:最小ロット10部
・オフセット:最小ロット50部
早割を使うとオフセットでもオンデマンドクラスのお値段で印刷できるのが魅力的。
特にオフセット限定ですが、50部と100部の間が500円差しかないため、オフセットで利用するなら100部刷るのが一番お得です。
自分はオフセットでしか利用したことがないのですが、入稿周りも分かりやすく、クセの少ない印刷所という印象です。
品質も満足のいくものでした。
ただ、自分は起きたことはないのですが友人が栄光を利用していた際に表紙が剥がれたりすることがあったようです。
そういう意味では少し品質にムラがあるのかもしれません。
締め切りはそんなに早くなく割引が効くのでスタンダードに使う分にはクセの少ない印刷所のイメージです。
▪️PICO
色んな割引をやっていたりジャンル別フェアが盛んな印刷所。
フェアページは分かりやすい反面、印刷メニューがやや見づらく、料金表や見積もりが取りづらいのが難点です。
お値段はそれなり。締め切りが他よりも長く、前々日入稿まで対応しています。極道入稿をする際は電話連絡が必須。
表紙と同じ絵柄のポスターを無料で作れたりするので販促物をついでに作りやすいのが◎
ジャンル応援企画の特殊PP加工無料や特殊色箔押しなどジャンルを応援する企画が多いのが特徴。
また、ジャンル応援企画にないマイナージャンルの場合別ジャンルの応援企画のメニューを3つ持ってきて適用できるマイナージャンル応援企画というものも存在するので、実質全ジャンルカバーしているのがすごい。
品質は普通。可もなく不可もなくといったところ。色の再現性はとても高いです。
料金表の見方が分かれば使いやすい印刷所です。
オフセットメインでオンデマンドも扱ってはいますが最小ロットは30部なので少部数向きではありません。
それなりの部数を刷る人でフェアの特典を使いたい方向けという感じの印刷所です。
イベント当日に名刺を持って挨拶に来てくれたりするので丁寧な印刷所だなぁと思った記憶があります。
(流行ったジャンルのフェアをすぐに開催してくれるので旬に詳しいイメージ。)
◾︎プリントオン
同人誌の装丁に凝りたいならこの印刷所を使えと言われるほどに装丁の種類が豊富な印刷所。
箔押しやブックケースなどの特殊加工本はもちろんのこと、自分の同人誌の装丁を印刷所側に決めていただく「わくわくドキドキセット」は1度は使いたいと思っておりました。
原稿をやる気力が出ないときはプリントオンさんの特殊装丁リストを眺めて、架空の本を作る幻覚を見ながら過ごすほどにアクセスしていた印刷所です。
満を辞して特殊加工が必ず1つは入る「わくわくドキドキセットDX」を頼みました。
仕様の欄にどんな雰囲気にしてもらいたいかを入力して入稿。仕上がったのはこちらです。
装丁のイメージはわくわくポップなイメージでとお願いしました。
表紙はクリスマス限定の特殊用紙だと思います。基本の表紙替えの一覧にありませんでした。そして角レース加工。
この上なくきらきらしてます。遊び紙も星の箔押しが入ったもの。
自分のイメージではシンプルに文字の部分だけニス盛りが来るかな?と思っていたのでビックリしました。めちゃめちゃ豪華に作っていただきました。ありがとうございます。
プリントオンさんは季節ごとのフェアが多く、フェア限定の特殊用紙、特殊加工が豊富なのも特徴の1つです。
また、フェアは早割で最大30%割引なこともあり、原稿を用意し終わってから印刷所を探す方に向いています。逆に通常締め切りでは他の印刷所と比べてやや割高になってしまうため、早割での利用を想定して使う印刷所という感じでした。
入稿や入金周りは特に何のトラブルもなく、使い勝手はとても良いです。
特殊装丁を盛りたい、こだわった本を作りたい方におススメです。
▪️ブロス
老舗で、対応が丁寧と評判の印刷所。オンデマンドも扱っていますか基本はオフセット。締め切りはやや遅め。
最小ロットは10部から。
サイト上で簡易見積もりが取りやすく、見積もりの時に一冊あたりの単価や特殊表紙の場合の紙の値段、加工の値段の詳細などを表示してくれるのでオプションをいじっての比較がとてもしやすいのが◎
反面、セットの名前が独特なので初見ではどのセットがオンデマンドでどのセットがオフセットなのかがわかりづらく、見積もりの時に混乱しがち。セットを利用しないのであれば見積もりはしやすいです。
基本のセットの価格は割安ですが、PP加工や特殊用紙を使うとそこそこのお値段になります。
逆に他の印刷所では不透明になりがちな特殊紙の値段の差をじっくり比較検討しやすいため、自分の財布と相談しながらの発注ができます。
簡易見積もりをそのまま保存して発注ができれば良いのにという部分がちょっとマイナス点になりがち。
オンデマンドでお願いしたところ、かなり丁寧に梱包されて届きました。部数をひとまとめにして紙で括ってくれているため、在庫の管理がしやすいです。
比較的かっちりとした製本とのことでしたが、時期が悪かったのか少し湿気で本が歪んでしまっていたものがあったりしたため、その部分の評価はしづらいです。
表紙の再現性は普通。良くも悪くも昔からある印刷所だなという印象でした。
入稿や入金回りはそこまでごたつきはしなかったので、比較的初心者でも難なく使える印刷所だと思います。
▪️ホープ21
締め切りが遅いのに割引率が高くてビックリしてしまった印刷所。
最小ロットはオンデマンド10部、オフセット50部。
サイトで詳細な見積もりを取ることができ、設定した納期であれば締め切りまであと何日というのを分かりやすく表示してくれるため、モチベや締め切り日程の確認がとてもしやすいです。
通常締め切りの4日前に入稿すれば最大25%オフ。その後、通常締め切りまで1日ごとに5%ずつ割引率が変動し、25%オフに間に合わなくても20%や10%オフで入稿などの柔軟な対応ができます。
自分でスケジュールを切る時に早めの締め切りにしても日毎にリスケ対応ができ、最悪極道入稿がイベントの2日前まで存在する神のようなところ。
それだけではなく、早く原稿を仕上げた良い子には同印刷所で1ポイント1円から使えるポイントが最大で印刷費の30%還元されるキャンペーンや、早期入稿で箔押し、特殊紙、PP加工代が無料になったり
さらには大判ポスターやポストカードもプレゼントになる太っ腹なキャンペーンを開催しているのが魅力。
再販本を早期入稿し、ポイント還元を最大限に利用した後に新刊にポイントを充当して早割+ポイント割引などができる強みを持ちます。ポイント還元という言葉にとても弱い人種なのでそれだけで惹かれてしまいました。
基本の価格は標準といったところだけど、割引率がとにかく高いため相対的にはとても安く品質が良い本ができます。
オプションがとにかく豊富で、箔押しや空押しに更に加工を施すことができたり
部数が多い時に表紙だけオンデマンド、本文オフセットなどの対応もできます。
他の印刷所ではもう箔押しが間に合わないという締め切りでも対応してくれた上に綺麗に刷っていただけて感動しました。
製本はかなりかっつりしており、余部もそこそこついてきます。
コスパがとてもよいのでオススメです。
見積もりナビの結果を保存してそこから発注できるようになれば文句なしの印刷所です。
あと地味に本文用紙を指定したら背幅を自動算出してくれたりするので、背幅考えるの苦手芸人はとても助かっています。
▪️OneBooks
一番美味しいものは最後にとっておく主義、というわけではないんですが今まで書いてきた印刷所の中で群を抜いて個性的なので最後に持ってきました。私の本命。
小説同人誌を少部数で出すならここが一番というくらいオススメなのですが、他の印刷所と比べてとにかくとっつきづらいことが難点です。
最小ロットは1部から。
何冊作っても1部の値段×冊数となり、冊数による割引や早期入稿による割引がないのが特徴です。
代わりに基本仕様としてカバーと帯が標準でついてくるため、文庫サイズでカバー付きの同人誌を作るならここ!というくらいオススメです。
特にページ数がかさんでも値段が一気に上がることがないため、安心して厚めの本を出すことができます。
また、本文のカラーモノクロを問わず料金が一律なため、少部数でフルカラー同人誌を作る方やカラーモノクロ混在の同人誌を作る方にもオススメです。
小さい印刷所なので、他のところに多い箔押しオプションや特殊加工は少なめです。
箔押しはできないこともないですが単価が高くなります。
事前に入稿予定日の予約が必須で、1ヶ月前から予約を取ることができます。
他の印刷所では原稿を仕上げてから仕様を決めて当日入稿という形が少なくないですが、ここは逆に入稿日を自分で決めて予約を取るスタイルになります。
大型イベントの前などはイベントの2ヶ月前に予約受付終了ということもままあるため、予約は早めに取るほうがいいです。
入稿日や原稿の仕様については実際に入稿する際に変更点を伝えることで対応してくださるので、予約を取っておけばあとはとても柔軟に対応してくださります。
難点として、基本的に各印刷所には入稿用のテンプレートが存在し、それに則ってデータを作り入稿するのが一般的ですがOneBooksさんはそういったものが一切存在しません。
2019/3/11追記:テンプレートができました。丁寧に作られているため、初心者でも使いやすいテンプレートです。
テンプレートを使用しない場合の入稿も大丈夫とのこと。非常に柔軟に対応してくださる印刷所です。
入稿に関して。他の印刷所では会員登録をしてサイトにあるアップローダーに入稿する形式を取っているところがほとんどですが、OneBooksさんは全てメールでのやりとりとなります。
入稿方法はデータをファイル転送サービスなどにアップロードし、そのURLをメールで伝える形式になります。
入金周りは非常に柔軟に対応してくださり、他の印刷所が入金確認後印刷開始なのと比べて、入稿直後から印刷に着手してくださるところも特徴の一つです。
自分はよく1冊だけ作る際は着払いで作っていました。銀行振込やコンビニ決済にも対応しています。
データ作成やメールでのやり取りなどのハードルは高いですが、その分クオリティも高いので小説同人誌を作る方にはオススメの印刷所です。
長くなったので一旦この辺で。同人印刷所を選ぶ際の基準の一つになれば幸いです。
今後使ってみたいのはねこのしっぽさん。
使ってみた後雑感を書けたらなぁと思います。
残りのグッズのみ利用したことのある印刷所に関しては別記事に続きます。