ものくろ記録

同人サークル『黒白けしごむ』『*Petal』の活動記録や作った本の所感など雑多に。

同人誌・グッズの通販の雑感(書店委託〜自家通販)

どうも、モノです。同人の記録用ブログにしようと思っていたのに結局印刷所の雑感をたまに更新するだけのブログになっておりました。

それでもちょこちょこ来てくださる方がいるので、同人のノウハウ的なものとして需要がないわけでもないのかな……? と思い、私個人の同人活動については横に置いておいて

ぼちぼち同人活動に切っても切り離せないあれそれについて所感を書いていくことにします。

 

さて、同人誌や同人グッズを作り、イベントに参加したぞ!

その後はどうする……?

ということで通販編です。ざっくばらんに書いていきます。

基本的に通販に関しては書店委託か自家通販の二択になります。

書店委託はその名の通り、虎の穴、アニメイト(フロマージュ)メロンブックスなどの同人誌取り扱い書店に委託するもの。

自家通販は自宅から発送するものとなります。

 

◼️書店委託

イベント終了後、一番手にとってもらいやすい形態が書店委託です。

書店に発送し、後はお任せとなるため自己負担が少ないことが特徴。

書店委託時の委託販売価格は自分で設定できます。

委託する分のマージンが発生するため、イベント価格据え置きの本体価格で書店販売しようとするとマージン分で赤字になります。

一冊あたりの自分の取り分を減らしてでも書店委託の価格を下げるか、マージン分を全乗せするかは委託者の裁量に任されています。

(大体マージン分全乗せする人が多いです。)

 

基本的には虎の穴一択です。

昔から女性向け同人の委託先として利用されているため、ジャンルやCPで検索をした人が比較的手にとってくれやすいです。

自家通販の場合、本人が宣伝したタイミングや、通販開始のアナウンスを逃してしまうと通販をしていることに気づかないなんてこともよくあります。

書店委託の場合、通販されている本を買う時に複数のサークルをまとめて買える上に、目当てのサークル以外にも気になったから手を出してみるというのがしやすい環境にあるため、価格は少し高くなってしまうけれど、利用者側から手に取りやすいイメージがあります。

自分も自家通販しているサークルさんはよっぽど好きなところ以外はなかなか手を出しにくい印象です。(財布には優しいのですが)

 

近年ではアニメイト系列の女性向けジャンル専門店のフロマージュまんだらけなどが女性向けの書店委託に力を入れているイメージ。

まんだらけは海外発送にも対応しているため、イラスト本や漫画本などは海外のファンの方向けにそちらに預けるという方もいます。

 

◼️虎の穴の委託について

昔は30部からどのジャンルでも委託を受け付けてくれていたのですが、今は希望納品数を提示して向こう側から発注数を提示する形に変わったようです。

サークル専用のページに登録し、やりとりをします。納品してから2〜3週間程度でwebページが作られ、通販開始となります。

旬ジャンルなんかは事前に委託連絡をして会場から委託先へ発送することも珍しくありません。

納品部数が少ない場合は店頭に置かれることはほぼなく、web通販のみになります。

それぞれの掛け率は

全委託の専売(虎の穴以外での通販をしない)は67%

虎の穴以外でも通販をしている場合は64%

委託した本を売り上げ関係なく一部虎の穴に買い取ってもらう場合は60%となります。

 

【イベント価格500円の本の場合】

①卸値500円(委託手数料を買う側に負担してもらう場合)

全委託専売(67%):747円

全委託併売(64%):782円

一部買切り(60%):834円

 

上記が購入者側が払う値段になります。

専売でも併売でも買切りでも委託しているサークル側に支払われるお金は1冊あたり500円のままです。

 

②本体価格500円(買う側の値段が500円固定になる場合)

こちらは①と違って、購入者側が払う値段が500円固定で、委託しているサークル側に支払われる1冊あたりの売り上げがそれぞれの委託形式に応じて上下します。

 

全委託専売(67%):335円

全委託併売(64%):320円

一部買切り(60%):300円

 

どちらの形式をとるかはサークルの裁量に任せられますが、基本的には卸値=イベント価格で全委託専売or併売が多いように思います。

基本的に預かってくれる期間は3ヶ月。それ以降は在庫を手元に戻す形になります。

(昔は預け続けることもできましたが今はわかりません)

 

◼️自家通販

書店委託と対をなす自家通販は、イベント価格+送料で通販ができるため、買う側にとってはお得な一方、サークル主にとっては手間と負担の大きい通販方法です。

自宅に保管している在庫を注文1件ごとに梱包、発送します。後述する匿名配送を利用しない場合はサークル主と通販者の個人情報をやり取りする形になるため、個人情報を他人に教えたくない人には向きません。

近年では匿名配送が可能になったため、自家通販のハードルが下がって安心して通販できるようになった印象です。

個人サイトで受け付ける方もいますが、最近の主流はPixiv提携サイトのBOOTHです。

自分はBOOTHの通販をメインにしているのでBOOTHについて書きます。

 

BOOTHはPixivアカウントを持っていれば誰でも通販ページを作成することができ、予約販売やデジタルデータのみの販売など様々な形態に対応しています。

書店委託と同様にBOOTH倉庫に預ける倉庫発送と、サークル主が1件1件手発送する自宅発送の2パターンが存在します。

 

◼️自宅発送

その名の通りサークル主の自宅で保管している在庫を注文ごとに梱包し発送する方法です。従来の自家通販と同じです。

BOOTHを利用するメリットとしては、通販ページのフォーマットが整っているため通販ページを作りやすいこと、BOOTHあんしんパックという匿名配送を利用できることの2点。

特に後者は従来の個人サイトでのやり取りと違い、相手と自分の個人情報のやりとりをしなくて済みます。

(発送方法をBOOTHあんしんパックに設定していない場合は個人情報のやりとりが発生します)

近年では発送周りは全てコンビニで完結するため、コンビニが近所にある場合はとても楽ですが、受け付ける注文数が多い人の場合は後述する倉庫発送をオススメします。

 

◼️倉庫発送

BOOTHの一番の特徴である倉庫発送。

書店委託とやや似ていますが、同人誌・グッズ関係なく預けることが可能なのが特徴。

サークル主はBOOTH倉庫に在庫をラベル分けして発送するだけで、後の通販のやり取りはすべてBOOTH側が行ってくれます。

倉庫に発送後、2〜3週間すると倉庫から発送されるようになります。

1ヶ月ごとに保管料1000円(販売率が倉庫に預けている分の20%以上の場合無料)がかかり、最大半年預かってくれます。

半年経過すると返送対象となり、預けた在庫が返送されてきます。

返送されてきた在庫は梱包された状態のため、そのまま自家通販に切り替えて発送することもできます。

個人情報のやりとりも梱包の手間もなく、すべてBOOTH側が行ってくれるため、数が多いグッズの通販をする際は倉庫から発送を利用するのがオススメです。

難点としては、倉庫についてから発送されるまでのラグがあるため、場合によっては通販開始してから注文した商品が手元に届くまで1ヶ月近くかかることがある点です。

昔は一度入庫作業が終わったら発送はスムーズだったのですが、近年倉庫に預ける人が増えた関係で、一件一件の発送処理が遅く、サークル側にクレームが入ることも多々ある状況にあります。

倉庫利用を考える場合、発送が遅くなる可能性があることも加味しておくと良いかもしれません。

現在BOOTH事務局側としても改善を目指しているようなので、今後に期待。

 

ざっと通販については自分が利用したことのある範囲ではこんな感じです。

近年ではBOOTHの発達により、書店委託のメリットは店頭に置かれるかどうかと、複数の作家をまとめて買えるかどうかといった違いくらいになっている印象なので、少部数であったり、ジャンルがマイナーであったりする場合はBOOTHを利用するのが手っ取り早くやりやすい方法かなぁと個人的には思います。

自家発送だと梱包や発送の手間がかかるのは従来通りですが、匿名配送のおかげで自家通販のハードルがぐっと下がった印象です。

気軽にイベント参加して通販を始めたい方は是非やってみてください。